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そのリズムに被さる様に観客を不穏な気分にさせる様なSEと旋律が流れる。
それを作り出しているのは、当主愛用の自律型シンセサイザー「うーにゃん」。
当主や呪神とはAAで意志の疎通をする。
(´・ω・`)ウニャー
こんな感じでだ。
その時の演奏に合わせてアドリブで必要なSEや旋律を演奏するが、楽譜が読めないので予めプログラミングするのは不可なのが微妙な所。
尚非常にデリケートな機体なので、週一のメンテナンスは欠かせない。
呪のビートとうーにゃんの旋律が、観客に今日のオープニングの曲を想起させる。
そして――
「フハハハハハ!貴様等は豚だ!餌を貪るしか能の無い肥えた醜い豚共だ!」
ハイトーンのヴォイスが会場に響き渡る。
『うおおおおおっ!エス!エス!エス!エス!』
観客が拳を振り上げる。
そして現われたのは骸骨の肉面に全身タトゥーの男。
血塗られたギターには「殺」とか「辱」とか「淫」とかそんな文字が刻まれていた。
当主の世を忍ぶ仮の姿の名は「エス」。
真名を軽々しく下賤の民に呼ばせない為に呪神が考案した名前だった。
「恐れながら主上には大変お似合いかと…」
「ソ、ソウカナア?」
人界に来る前の二人の会話。
まあそれは置いといて。
エスは叫んだ。
「我の恩寵が欲しくば、この鉄条網に貴様等の濁りきった血を捧げるがいい!」
そしてライブは始まった。
「犯せ!犯せ!犯し尽くせ!全ての穴を我に捧げよ!」
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