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そしてオレ達もいつ集合場所に来るか分からないハジメ君なんて、寒空の下で待ってられないワケですよ
「取り合えずどっか店入ろうぜ」
「そうだな」
ちなみに年末だと言うのに、どっかの店を予約なんて計画性のある行動を誰もしちゃいません
ドコも店空いてなかったら、キャバクラ行こうぜ、それでもダメだったら公園で飲もうぜ、的な
そして誰もいない場所に遅れてきたハジメ君が、途方に暮れて連絡してきてもいいように・・・
オレ達は全員ケータイの電源をオフ
飲み屋の数が10軒20軒じゃ効かない繁華街だけど、頑張ってノーヒントで探してみてね♪的な
でも完全ノーヒントじゃさすがに可哀想だから
『先にどっかの店に入ってます』
的な優しいメールを
そしたら遠くから聞こえてきましたよ
「お~い!稲本~、ジン~、ミスター!」
ハジメ君の声が
集まってから15分経ってるけど、ハジメ君にしちゃかなり早い時間ですよ
しかも息を切らせながらコッチへ走ってきますよ
一番マトモになっただけあって、こういう細かい所もかなり普通に成長したんですよ
「・・・」
でもこっちへ全力で走ってくるハジメ君の姿は、全裸にストッキングのみ着用でしたよ
さすがですよ
さすが我らがハジメさんです
オレはそんなハジメ君を見て、自分にヘタレと言ってやりたくなりましたよ
なのでこのトシになっても犯罪とほぼ変わらない程にまでボケに体を張ってるハジメに、敬意の念を込めて・・・
オレ達全員ダッシュで逃げました
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