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「やっぱ、デリヘルにしとけばよかったのかなぁ~」
東金百代(とうがねももよ)はタバコの煙と一緒に独り言を吐き捨てた。
「コスモさん、スタンバイお願いします。」
富士山を望む箱根の高級別荘地。
窓からは眼下の芦ノ湖に白い波の尾を引きながら、遊覧船が優雅に進むのが見えた。
百代は目で遊覧船を追うのをやめ、木下勇気の脂肪のかけら一つ見当たらない肉体に向き直った。
見事に六つのパックに小分けされた腹筋を見つめながら、木下と今までに何回セックスしたか数えたが途中でやめた。
AV女優と呼ばれて丸2年、主演7作目の撮影だった。
「はぁ~いお願いします」
百代は無理やりテンションを上げてコスモに変身した。
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