始まりは突然で、必然で

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ドアを開け、入ってきた近衛兵の後ろには……漆黒の髪に整った顔立ちをした男の姿が。勿論、背中には同族の証である白い翼があった。     「……誰コイツ。」   「Σなっ??!姫様!ご無礼ですぞ!!」   「いや、構わないよ。もう随分と会っていないからね」   「…モコ。コソコソ…(この人は…隣国であるブラックキャッスルの王子、黒雨様よ)」   「くろ…さめ…様?あー…誰だろ…?」     紅に示唆されたモコだが、今だ頭には疑問符ばかりが浮かぶようで。 そんなモコの姿に近衛兵もタジタジ。 黒雨は3人の様子に思わず小さく笑むと     「では、これで思い出すのでは?モコ。」     そう言うと、長い黒髪をポニーテールに結んで見せた。 蒼い瞳からは、今だ笑いを堪えているのが伺える。 モコは黒雨のその姿に…一つの記憶にたどり着く。     「もしかしてさ……アメちゃん?いや、その髪形と蒼の瞳は絶対そうだッ!」   「やっと思い出したようだね;まぁ10年振りの再会だからね、無理もないよ」   「ねー!超久しぶりだよ~アメちゃーんッwww」     モコは黒雨に抱き着くと頭をわしゃわしゃと撫でる。 …モコは165㌢、黒雨は150㌢なのだ。  黒雨は照れながらもされるがままになっている。     「アメ…ちゃん?モコ、アンタもしかして…」   「人生15年歩んで来たけどずーっと『クロアメ』だと思ってたww」   「…;;黒雨様、モコがバカですみません…」   「構わないよ;よく私も間違えられるんだ;」   「でも身長は相変わらずちっさいねーw可愛いww」   「Σなっ、黙れッ!貴様も胸はいつまでたっても貧しいじゃないかッ??!!」   「Σなっ何よ!私より年上の癖に相変わらず大人気無いわね!」   「モコも黒雨様も落ち着きなさいよ…;」   「「落ち着いてます!!!」」   「全く…(呆)」   「あ、あのー…黒雨王子にモコ姫…ガルバディア王からお話があると…;」     口喧嘩から決闘に変わろうとしていた二人の動きが、近衛兵の一言でピタリと止まった。     「ガルバディア王って…父様?」   「はい!今から王の間へお連れします!黒雨様もです!」
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