始まりは突然で、必然で

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  「私も…?」   「はい、詳しい事はわたくしめにも分かりかねますが……」   「そっか…じゃあ紅、さっきの話…ーー」   「…気にしないで。ガルバディア王からの呼び出しは絶対でしょ?ほら、行って来なさい。」     紅は申し訳なさそうに佇むモコの頭を撫でながら優しく笑った。 …従姉妹であり、姉の様に慕っている紅にここまで言われてしまえば気にかけるのも悪く思う。   モコは頷くと、黒雨と共に近衛兵の付き添いの元…王の間へと、ドアを開けて出て行った。     「…黒雨様のご来日、ガルバディア様からのお呼び出し…やはり今日は…ーーー」     紅が一人呟いた言葉は、誰一人聞くことは無かった。       ー 王の間へ続く廊下にて ー     「ーーー…にしても、相変わらずこの城は広いんだね。」   「そうかなぁ?…あ、でもアメちゃん家は私のお城よりはちょっと小さめだったっけ…?」   「……(小さめじゃなくて本当に小さいんだけどね;)」     近衛兵を先頭に歩くモコと黒雨は、久しぶりに会った者同士雑談に花を咲かせていた。 ーーー…内容は城の話ばかりだが。   二人にとって話が出来る事と言えば、城や付き人、食事や武道についてぐらいしか無い。     「姫様、黒雨様、到着です!翼のご用意を…」   「はいはーい♪」   「翼…?何故ここで使うんだい?」   「あれ?アメちゃんは父様の部屋来たこと無かったっけ…?」   「ああ…私は大体父に君と遊ぶように言われていて…帰る時も君の自室まで父が向かえに来ていたからね…」   「あ、そっか…シュベルト様は元気?」   「相変わらず霧で何かを発明しようと没頭しているけどね。」     黒雨は失笑しながらも、隣で銀の翼を広げる親友のように白い翼を広げた。 …モコは一族の中で唯一銀の翼を持っている。 銀の翼を持つ者は、この世界に平和を齎すとされている。     「では…ガルバディア31世様!扉を開けても宜しいでしょうかッ!」     二人が翼を広げたのを確認すると、近衛兵が中に居るであろう王に向かって声をかける。     「…入れ」   「はっ!」     ゴゴゴゴゴ…ガチャン…ッ 
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