始まりは突然で、必然で

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  大きな轟音にも似たような音と共に、鉛で出来た大きな扉が両開きに開く。扉の先は…… 青空が無限に広がる、どこまでも蒼く澄み切った王室。   黒雨は、そんな王室を前に目を丸くした。     「こ、ここが…王室なのかい…?」   「そうだよ♪あ、ここは魔空間で出来てる部屋だから、翼がないと下界でも天界でもない異空間に落ちちゃうからね!」   「あ、ああ…わかった…(それで翼が必要なのか…)」   「ささ、姫様と黒雨様…中へ…」     近衛兵に促され、モコは小さく頷くと先に部屋へと翼を広げ、悠々と飛んでいく。 黒雨も心を落ち着けさせると、モコの後を追うように飛んだ。   雲で出来た少し長めの回廊を進むと、これもまた雲で出来た特殊な玉座に、モコの父でありホワイトキャッスルを治める王…ガルバディア王の姿があった。     「…父様、早速ですが…用件をお話して頂けますか?」   急に真剣な顔付きになって話すモコ。『さすがに自分の父とはいえ、国王の前となると真面目になるのか…』と黒雨は頭の片隅で思うと、自分の前にいるガルバディア王に深々と頭を下げた。     「…始めに…モコ」   「…はい」 真剣な空気が漂う。       「…何故…何故私を‘パパ’と呼んでくれぬのだ…ッッ!!!」         「「…はぁっ?!!!」」     余りにも予想外の発言に、思わず二人とも声が揃う。 モコは赤面していく顔をごまかすようにガルバディア王へと声を荒げた。   「~~~ッ父様!///用件を話して下さいと申したでしょう?!!そんな私用は後d「ならぬ!ああモコや…昔は『パパ大好きvv』などと言ってくれていたのに…っ!」     突然場違いな発言をしだしたガルバディア王は、そのまま玉座から飛び出すとモコに縋るように抱き着いた。…啜り泣きも聞こえる。 そんな光景に呆気に取られたのは勿論、現在進行系で王に抱きしめられているモコの隣に居る…黒雨唯一人。 近衛兵を始め、辺りに偶然居合わせた召し使いや兵達には日常茶飯事のようで、大して気に留めていることは無いようだ。   モコは今だ泣きじゃくる自分の父を……  
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