始まりは突然で、必然で

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  ---…軽く蹴り倒した。     「欝陶しいわ!この親バカがァァアッッ!!!!!!」 「おぶッ?!!」 「ちょっ…!モコ!!!やりすぎじゃないかいっ?いくら…お、親バカと言えどだな…限度というm「アンタも‘モコちゃん必殺ウルトラキック’喰らいたいのね(黒)」   「いやー親バカなんて潰れるまで潰すべきだねー(棒読み)」     黒雨は何か悟ったようだった。       …---1時間後。 モコの蹴りから蘇ったガルバディア王は、玉座に座り直し、改めてモコと黒雨を見据えた。     「先程は取り乱してすまなかったな」   「は、はぁ…」   「…父様、用件だけを簡潔に教えて下さい。 簡 潔 に 。」   「うっ…わ、分かっておる!さすがに学習能力は持っておるわっ」   「(…どんどん印象が変わるよ…この王様…)」     ぷんぷんという効果音が似合いそうな反論を零す王に対し、嫌に冷めているモコ。 黒雨は本当にこの二人が自分と同じ王族であるのかすら不安になりつつあった。   ガルバディア王は一度咳込むと、最初見た時とはまた違った、緊迫した表情で口を開いた。     「…お遊びはここまでにして…二人には話しておかねばならんことがある」   「…何でしょう」 「お前達二人も知っておる通り、我ら天界族の‘空使(クウシ)’と‘雲使(ウンシ)’は同盟を結んでおり、隣国同士共に生きることを誓っておる…というのは理解しておるな?」   「もちろんです!空を司る父様と、雲を司るシュベルト様の仲の良さは…そこからも影響していますものね」   「うむ…そして天界にはあと2つの国、王家が存在しておるのも知っておるな?」   「…月使(ゲッシ)と侵使(シンシ)ですか…月使に至ってはあらゆる世界を転々としている伝説の小国だと聞いたので何も問題はないと聞きますが…侵使は…」   「情報自体あまり流れて来ないよね…3つの国から自ら脱国して作り上げられた国って聞くし…」     「…その侵使が、どうやら近々我ら同盟国両方へ戦を仕掛けて来るらしい」    
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