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暑さのあまり頭がボンヤリして先生の声が遠くこだまする。
早く授業が終わらないかと時計ばかりを気にしていた。
黒板にはビッシリと並べられた数式。
板書をしようとするほど眠くなる。
気分転換をしようと窓の外に目をやるとカラッと晴れた真っ青な空がどこまでも続いていた。
流れていく雲を頬杖をついて眺めていた。
「神崎!神崎魅音!今大事な所の話をしているんだ、テストも近いんだから集中して聞きなさい」
赤い縁のキツそうな眼鏡をかけた数学の須藤先生は眉をしかめる。
皆の視線が一斉に向けられ、恥ずかしくなる。
「生徒会長なんだから、しっかりして下さいね?」
相変わらず先生は嫌みったらしい話し方。
私はイライラしながらも板書を再開した。
するとクスクス。と笑い声がしたような気がした。
辺りを見回すが近くの席の子ではないようだった。
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