KINGDOM STORY-蒼空の奇跡-

序章 少年の決意

ｳﾞｧﾝ『…父さん』

父親『お前も見に来たのか』

ｳﾞｧﾝ『うん。ねぇ、どうして街が燃えてるの？これはどうみても火事じゃないと思う』

父親『…ヴィンバルト大帝国を知っているか？』

ｳﾞｧﾝ『うん…』

ヴィンバルト大帝国は今から３年前に建国された国である。
まだ歴史は浅いが、次々と兵器を開発しているため、軍事力は世界一だ。
でも、父さんはなぜヴィンバルト大帝国の名前を出したんだ？

ｳﾞｧﾝ『父さん、ヴィンバルト大帝国が何か関係してるの？』

父親『…あいつらが世界に宣戦布告したんだよ』

なぜ？
どうして世界に喧嘩を売るような事を…
父親は、ｳﾞｧﾝの心を見透かしたように話を続けた。

父親『世界統一…目的はそれだ』

ｳﾞｧﾝ『世界統一？なんで！？』

父親『俺にもわからん。ただ一つ言えることは“ディア”はもうダメだという事だ』

ｳﾞｧﾝ『じゃあ…逃げようよ』

父親『お前は母さんを連れて先に行け！』

ｳﾞｧﾝ『でも…』

父親『お前は騎士の息子だろ！』

ｳﾞｧﾝ『…わかったよ』

父親『早く行け！敵が来る前に』

ｳﾞｧﾝは家へ駆け込むようにして入ると、まだ寝ている母親を起こした