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と言っても、冷静さに欠けるこの状態で、思考し、考えをまとめるのは難しい。
いっそこの場から逃げ出すか……いや、何を考えている、僕は逃げないぞ、なんで僕がおっさんにこの場を譲らなくちゃいけないんだ。
僕はよくこの川原に来るんだ、おっさんよりもこの川原に対する思い入れは強い!
僕が逃げるんじゃなく、おっさんに帰ってもらう。
こんな不審者すぎるおっさんにこの場所を譲ってたまるか。
不審者、そうまさに不審者だ、このおっさん怪しすぎる……昼間っから何をするわけでもなく川原をうろついている時点で怪しいが、その上追いかけて来るわ、幽霊だとかなんとかぶっ飛んだ発言はするわ、馴れ馴れしく僕の手を掴んで引っ張って――ん……待てよ……僕の手を、掴んで……?
「あああぁぁぁぁっ!!」
「どうした、まるで必死に考えた末にいい考えが浮かんだかのように声を上げたりして」
「もう騙されないぞおっさん! さっきおっさんは僕の手を掴んで自分の腹の中に入れたよな!?」
「あぁ、そうだけど、それがどうかしたか」
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