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「どうかするよ! 質量として存在しない幽霊が、何かを掴んだりできるわけないだろ! それなのにおっさんは僕の手を掴む事ができた……それは何故か、答えは簡単、おっさんは幽霊じゃないからだ! つまり、さっきの摩訶不思議現象も、きっとほんとは何かタネのあるインチキなんだ。 危うく騙されるところだったが……そんな悪徳商法僕には通じないぜ!」
おっさんが幽霊である事の否定を、おっさん自身に叩きつける。
僕の意見に、間違っているところは無い筈だ。
おっさんが幽霊であるならば、僕に触れる事なんてできない。
僕の手がおっさんの腹をすり抜けたのだって、マジックか何かの一種に違いない。
どうだおっさん、これでもまだ自分は幽霊だと言い張るか……!
「いや、普通に幽霊だって何かに触ったりできるぞ」
「嘘おぉっ!?」
僕の言い分を受けたおっさんは、至極当然のようにそう言い放つ。
僕の意見は、おっさんの発言によって一瞬で崩される事となった。
幽霊が……何かに触れる……!?
そんな事があっていいのか、というかそれ最早幽霊じゃないだろ!
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