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私は揺られている、田舎を走る電車に。
駅を出てからずっと山が左右に現れ続けている。そして途中、川を渡った時の鉄橋の高さに驚いた。確かに片方に山の景色が消えて、駅に停車すると、村や集落が見えるのはかなり下の方だ。
この辺りに住むと駅に行くのも大変だ…私は外を見ながらそんな風に思った。
私は今、恋人が待つ家に帰る為にこの一両しかない電車に揺られている。今は昼だが、乗客は私一人だった。
田舎という事もあり、電車は一時間に数本しかなく、実際私もこの電車に飛び乗った。
これを逃すと二十分以上無く、駅で待ちぼうけを食らわされる所だった。
家に帰る為にはこの次の駅で降りて、五分後にやって来る行き先の違う電車に乗り換える。
この田舎電車にしては五分待ちなんて気が効いてる。乗り換えまで二十分以上も待たされたら堪らない。
そして、静かに進む電車にアナウンスが流れた。もうすぐ駅に着くのだ。
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