26人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
†
その時、鈍い音が部屋に響き、少女が床へと崩れ落ちました。
頭に響く鈍痛と、目の前で表情を変えない召使い。
少女は混乱する頭で、残りの屋敷の住民を思い出し、涙を溢れさせました。
何だ、死んでないのか。
そう残念そうに聞こえる声は、男のものでした。
何で、どうして、皆を、殺したの。
コックさん。
少女の掠れる声に、コックは嘲笑う様に鼻を鳴らし、先程少女を殴ったであろう麺棒を構えて、言いました。
お前も、召使い共も邪魔だったんだ、俺がこの屋敷を手に入れる為には。
狂気的に叫び、麺棒を振りかざします。
少女はきつく、目を閉じるのでした。
†
最初のコメントを投稿しよう!