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今すぐ目を凝らしなさい、暗黒に、全て彩れる様に。
召使いは、少女の頬を撫でて、不適に笑いました。
憶することなく、真実を見るのよ、と言って少女から離れました。
自由になりたいでしょう。
最後にそう言って、召使いは少女の自室から、出ていくのでした。
するとそこにはコックがいました。
これ以上お嬢様を苦しめて、何のつもりだ。
そのコックの言葉に、召使いは笑いながら、すれ違い様に、言いました。
貴方の求めるものは、もうそこにあるでしょう、と。
コックは忌ま忌ましげに、召使いの背を、見るのでした。
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