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「ずっと『おーい』って言ってたのに全然起きないから死んでるかと思ったよ」  男の子は自分のカバンから干し肉を取り出して少年に差し出す。  男の子は少しばかり小柄で、身長は大体140~145センチ。少しハネている栗色の髪は、弱く吹き抜ける風によって控えめになびいていた。  そしてお人好しな感じを思わせる、明るく黄色い瞳が特徴的だった。 「食べないの?」  ぷらぷらと差し出した干し肉を上下に揺らして自分も干し肉をかじる。  少年は恐る恐る干し肉を受け取り、その小さな口に放り込んだ。 「堅っ」 「干し肉だから」  そう言って男の子は少年の前に移動し、近くの切り株に腰を下ろした。 「で? 君はなんでこんな森の中にいるの?」 「む……?」  未だむぐむぐと干し肉を口からはみ出させながら肉を咀嚼する少年に質問するが、少年は首をかしげるだけ。  答えようとする気は微塵も感じなかった。
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