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先生の指示通り車を走らせる。着いた所はでかい洋館だった。井上先生って金持ちなんだと痛感する。ベルをならすと中から薄気味悪い笑い声で井上先生がでた。 「伊藤ちゃんありがとー。あとは向こうで待ち合わせしましょ。」 「は、はあ…。」 玄関までしか入れてもらえなかった。僕はちょっと長いため息をつきその場をあとにした。 「……行ったわよ。」 「……み、水……。」 「昨日のウィスキーがきいたのね。もう…だから強いから止しなさいって言ったのに。」 部屋に入り水を飲む架月。 「…やっと落ち着いてきた。」 「スリーサイズはかるから立って。」 「…あのさ…なぜドレス?」 「だってパーティーよ、パーティーといったらドレスでしょ!」 「…斎藤先生の噂きいてるわよね…?」 「このパーティーも仕掛けられたものだとでも??」 「……あの作品…あの人のだから…。」 「…カズちゃん……。可哀相な子…。」 そういうと葉子は架月の頭を撫で始めた。架月は葉子の手に弱い。ギュッと抱きしめられると魔法にかかったように眠りについた。 「あなたは生きなきゃいけない…。愛したあの人の分まで長く、美しく…。」 午後6時、斎藤のパーティーが始まった。俊一は急いで架月の側へと向かうが見つからない。すると大輔が駆け寄ってきた。 「伊藤ちゃんこっちこっち。佐々木先生のドレスすごいぞ。」 架月の所へ向かうとそこにはワインレッドのいろのくびれが引き締まりワイングラスが逆さまにした感じのドレス姿だった。 「うわぁ……すごく似合っています…。」 僕はただ見とれていた。人間ってこんなに変わるんだ…。ちゃんと化粧してるし…。お人形さんみたいだ…。 すると先生は僕のほうに近づいてきて 「ジロジロ見てんじゃねーよ。いつ帰れんだ?」いつも先生だ…。ドレス着てる時くらい優しい口調にしてよ…。 そう思ってるうちにパーティーが始まった。ナレーションと同時に斎藤先生が現れた。 「…えー皆さん今宵は私しめのために盛大なパーティーにしていだたきありがとうございます。この作品は私しめにとっては特別な思い出がありまして…」 長く続く話は先生のヒールに響いていた。 あれ??斎藤先生こっちに目合わせてない??てか先生みてない?? 「……ウザイ……。……足痛い……腰苦しい……。」 「せ、先生軽く挨拶して帰りましょう!!」
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