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7年前架月が高校3年の秋の事であった。クラスもがらりと変わり皆、進学、就職のことでてんてこ舞いになってた頃。 架月は相変わらず無愛想で窓から見える景色を見てはノートに何か書き込んでいた。そんな行動を俊幸は眺めていた。 が、俊幸の行動はエスカレートしていった。 最初はただ眺めていただけだったが声をかけたり、ボディタッチしてくるようになった。周りは気にも止めずスキンシップだと思っていた。 架月は気付いていた。 ある日、国語の授業のとき、俊幸が廻ってきたときノートに「死ね石山」と大きな字で書いていた。喋りたくない相手には話さず字で行動が架月のやり方だ。それを見た俊幸は自分を気にかけてると嬉しそうに微笑んでいた。 1月、年が明けて雪が降るこんなときに俊幸は架月を補習と言って教室に一人残らせた。もちろん補習は嘘だ。頭のいい架月が赤点をとるはずがない。 俊幸が来た。と、すぐに 「エロ教師!!」 と、ともに平手打ちが入った!! しかし俊幸は真顔で何もしてこない。架月は不信に思った。 すると俊幸はこう話しかけてきた。 「進学??就職??」 「………まだ決めてません……。」 「僕と小説を書かないか??いつも持ち歩いてるあのノート、小説書いてるんでしょ??」 架月は警戒を解いた。 「……何が望みなの??」 「ただ架月と二人で実家で小説を書きたいんだ。」 「………何故実家なの……?」 「それがさぁ海は見渡せる自然いっぱいの所なんだ。それに僕も実家の近くの学校に回ることになったんだ。だから。」 「………それだけ……?」 「これな~んだ??」 「あ!!」 俊幸が取り出したのは一冊のノート。そう、架月が大切にしているノートだった。 「返せ!!」 と、架月は俊幸に近付いた時俊幸は架月の腕を引っ張り出し顔が近付いたときゆっくりとキスをした。 架月は離れようとするが自分の負けと決め、抵抗するのを止めた。 その頃着実に二人を引き裂く鎖ははりめぐされていた。
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