Night Life

14/17
前へ
/62ページ
次へ
「ヒドいお客様でも、優しいお客様でも、変わらずにかしずくのが僕らホストです✨  すべてのお客様に最高の時間を過ごしていただく。それが僕の誇りですから。  でも…」 「でも?」 「やはり僕も人間ですから、マダムのような素敵なお酒の嗜み方をご存知の方には、特別なサービスをしたくなります✨」 リクがマダムの膝に手を置くと、マダムは嬉しそうに言った。 「ありがとう❤アナタのそういうところを、私は気に入ってるの❤  ヤッパリアナタに、ただのホストをさせておくのは勿体ないわ。  この間話したお話、考えてくれたかしら?」 膝の上のリクの指に、指輪だらけの自分の指を絡めながらマダムが見つめる。 その動きは、巣に捕らえた獲物に迫る蜘蛛のような毒々しさを思わせる。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加