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「ヒドいお客様でも、優しいお客様でも、変わらずにかしずくのが僕らホストです✨
すべてのお客様に最高の時間を過ごしていただく。それが僕の誇りですから。
でも…」
「でも?」
「やはり僕も人間ですから、マダムのような素敵なお酒の嗜み方をご存知の方には、特別なサービスをしたくなります✨」
リクがマダムの膝に手を置くと、マダムは嬉しそうに言った。
「ありがとう❤アナタのそういうところを、私は気に入ってるの❤
ヤッパリアナタに、ただのホストをさせておくのは勿体ないわ。
この間話したお話、考えてくれたかしら?」
膝の上のリクの指に、指輪だらけの自分の指を絡めながらマダムが見つめる。
その動きは、巣に捕らえた獲物に迫る蜘蛛のような毒々しさを思わせる。
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