黒い空の下

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 黒い空、星も無く、ただ、ただ黒がずっと上に伸びて、黒い地面を覆う。  地面との境界線も黒くて解らないけど地面はあるし、空もある。  自分の体も黒くて解らない。 触れば形は解るけど背中には届かないから、 もしかしたら無いのかも知れない。  そんな世界に僕は生まれた。  生まれた時から、この黒い世界にいるけど、目は一向に慣れないものだから、目と言う物があるなんて知らなかった。  こんな世界でも声や言葉はある。 唯一自分の存在を周囲に教える手段だ。 (とは言っても教える必要は無いんだけど。)
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