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ベルセルは少しの間だけ何かを思案したような素振りを見せ、そして出した結論は……
「……貴公がそう言うからには、何か考があるのだろうな?」
「はい」
「……ふん、良かろう」
ブライトの起用だった。
「なっ……!」
マルクがギョッとする。
……それもそうだろう。
たった今まで自分が受けようとしていた仕事を、いきなり現れた男に奪われたのだから…。
マルクが右手を大きく振った。
「お待ちください父上!これは、最初に僕が受けようと――」
「ブライト」
「はっ」
一礼し、ブライトが振り返る。
反射的に身構えるマルクと、まだ状況が掴めないアマリアはただブライトを見る。
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