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「マルク様がご存知かは存じませんが、彼の地はかなりの作物が採れることで有名です。
ですがその特異な土地柄故、その先住民でないと作物は作れない……」
「……フン、だからどうしたと言うんだ!
食料など、この帝国には腐るほどある!
…………いいかブライト。貴様も父上の名を背負って行軍するのなら、それによって示すのは“圧倒的な制圧”だと言うこと位――!」
「皇子……!」
いまにも殴りかかりそうな剣幕のマルクを見兼ね、アマリアがそれを制止する。
が…
「黙れ!僕に意見するな!
貴様……それほどまでに罰を受けたいのなら、望み通りそうしてやろうか!」
「……!」
アマリアがたじろぐ。
いかに“女傑”と唄われているとはいえ、絶対的な権力に対する恐怖を感じずにはいられない。
もしこの男が本当に“罰を与えよ”と命令すれば、その通りになってしまうのだから…。
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