続0譚 ―始動―

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  ついさっきまでブライトに向かっていた感情が、次にはそのままアマリアへと降りかかる。 しかし、そのマルクを今度はブライトが制した。 「……分かりました。では、こうしましょう。 私は最低限の兵を率い、マルク様の出発から一日の間隔を置いて帝都を出発します。 もし私が間に合わなければ、その時は貴方の好きにしてくださって構いません。 しかしその代わり、私がマルク様に追い付いた場合は――」 その場にいる全ての者が、ブライトの言っている事の意味を理解した。 「僕と貴様の競争。 ……つまりこういうことだな?」 「はい」 「……いいだろう。 それで構いませんか?父上」 「うむ。好きにせい……」 …どうやら話はまとまったようだ。 マルクはブライトの横を通過し、謁見の間を後にする。 アマリアもそれに続くが… 「―――貴様はもう来るな!」 マルクが叫ぶ。 だいたい予想はしていたのか、アマリアも自然に頷いた。
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