797人が本棚に入れています
本棚に追加
ついさっきまでブライトに向かっていた感情が、次にはそのままアマリアへと降りかかる。
しかし、そのマルクを今度はブライトが制した。
「……分かりました。では、こうしましょう。
私は最低限の兵を率い、マルク様の出発から一日の間隔を置いて帝都を出発します。
もし私が間に合わなければ、その時は貴方の好きにしてくださって構いません。
しかしその代わり、私がマルク様に追い付いた場合は――」
その場にいる全ての者が、ブライトの言っている事の意味を理解した。
「僕と貴様の競争。
……つまりこういうことだな?」
「はい」
「……いいだろう。
それで構いませんか?父上」
「うむ。好きにせい……」
…どうやら話はまとまったようだ。
マルクはブライトの横を通過し、謁見の間を後にする。
アマリアもそれに続くが…
「―――貴様はもう来るな!」
マルクが叫ぶ。
だいたい予想はしていたのか、アマリアも自然に頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!