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「待ってくれ」
謁見の間から退出し大広間へと戻る途中、アマリアがブライトを呼び止めた。
「……何か?」
ブライトが立ち止まり、こちらへと振り向く。
「いや……、先ほどの件、貴公のお陰で色々と助かった。感謝する」
そう言って、アマリアは頭を下げる。
「……私は私の思うがままに動いた迄です。
そこに、他意はありません」
「そうは言うが、結果として私が助けられたと感じたんだ。
気持ちだけは受け取ってくれないか?」
「……そこまで言うならば」
ブライトが頷く。
「では、これから馬の調整があるので、失礼」
ブライトは表情を変えることなく再び振り返り、そのまま外へと歩いて行ってしまった。
後に残されたアマリアは一人何かを思い、ブライトが行ったのとは別の方向へと向かう。
(自分の思うまま、か。
さすが、師団長となると言うことまで堂々としている……)
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