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「……そこ、退いてくんないかな?邪魔なんだけど」
街へと続く一本道……森の出入り口に近い場所で、少女が数人の男たちに囲まれていた。
少女は金と赤の交ざったような髪に紅の瞳、顔立ちは整っており可愛い……と言うより綺麗と言った方がよい容姿をしていた。
名前は瑠璃。
腰には二振りの剣が下げられており、背にはパンパンに膨らんだリュック。その格好からしてひとりで旅をしているようだ。
「街に何か用かい?でも、今は行かねえほうがいいぜ、嬢ちゃん」
瑠璃を囲む男のひとりがそう言えば、他の男たちもニヤニヤしながら口々に同じような言葉を言っていく。
「何故?……というか、そこ退いてよ」
「何故って……危ないからだよ。特に女の一人旅は危険だって、親に教わらなかったのか?」
また、初めと同じように"危ない"といったことを周りの男たちが口々に言う。
このやり取りが何度も続き、いい加減イラついてきたのか瑠璃の雰囲気が変わる。
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