…†第一章†…

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瑠璃の眼に気圧され、少々どもりながら答える。 しかも、このリーダー格の男は仲間を大事にする質のようだ。そのため、仲間たちには信頼されている類の人なのだろう。 「いいよ、私は人殺しするために旅してるわけじゃないし、殺るだけ無駄だもんね」 無邪気な声音で答える瑠璃に、怯え気味の男……さぞ異様な光景に見えるだろう。 そんなことには執着せず、瑠璃は早速質問し始める。 「じゃあ、あんたに質問するのは 一、あんたがそこらに転がってる奴らのボスか? 二、なぜこの道を通れなくしているのか?」 男はこの質問に何かを考えるように俯き、しばらくの間黙りこむ。
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