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すうっと奥に変なものが訪れる。
「……は?」
聞いた事がいまいち良く分からずに間の抜けた声を出す俺に黄玉様はもう一度、「家庭教師になって欲しい」と言った。
聞きなおした理由は、そんな事を信じたくなかったからかもしれない。
「……俺は他人よりほんの僅かものを知ってるにすぎませんよ」
風が俺らの間をすり抜ける様に通り過ぎる。
風はそれと同時に俺らの何かを奪い取っていった。
「だからこそ僕はあなたに頼みたいのです。僕と同じであるからこそ」
……もしかしたら、俺の力をこの人は知っているのかもしれない。
だからこそ俺を選んだのなら、知っていても可笑しくない。
……さて、受けるか受けないか如何しようか?
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