序章 始まりは出会いから

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時は平安の世。 夢の様な平和な世界…… しかし、誰もがそんな夢を抱いていたのは当の昔。 今の都は荒れ果てて、その日その日を過ごすのも辛い者達もいる。 それに対し、今でも雅な服を着て、のうのうと日々を過ごす貴族達もいる。 俺――氷月雫も人様の上に立ち、のうのうと生きている貴族の一人。 家はそれなりに裕福だが、大貴族の様に大きすぎるほどのやかたに暮らしてる訳ではない。 それでも……住む家も無い者達に比べればずっとずっとましだろう。 住む家もちゃんとあり、俺を世話してくれる両親がちゃんといて、周りだけとは言え平和なのだ。 外に出れば、大変すぎる人がたくさんいるというのに。
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