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っていた。
「このまま、誰もいないところへ行ってみたいなあ」
そして私はポケットからカッターナイフを取り出した。そして自分の腕を出した。大丈夫。怖くない。
「誰もいないところへいったいどこに行くつもりなの?」
この声!と思いながら後ろへ振り返った。そうまたあの男が立っていた。
「なんでいんのよ!もう!これで3回目じゃない!偶然なんて言わせないから!」
「へ?」
男は驚いていた様子で私を見ていた。
「偶然だって!まあその偶然のおかげで君を死なせずにすんだからよかったけど。」
何カッコイイこと言ってんのよ!と私は思った。すると私は思わず泣き出した。
「なんで…私…泣いて…んの?」
「泣きたい時は泣きなよ」
と言いながら男は私を抱きしめてくれた。
「いや離してよ」
「また逃げるの?それって自分からも逃げているんじゃないかって思わない?」
自分から逃げてる
「逃げる必要ないよ。逃げる必要なんか」
私は男の胸の中で思わず号泣してしまった。そして二人は喫茶店に入った。私はかなりおなかがすいていたのか。喫茶店で夕食を取ることにした。男は笑顔で私を見ていた。
「そういえば歳はいくつ?名前とか。俺は瀬崎学、22歳。一応これでも大学生。」
突然。自己紹介が始まった。
「あ、私は陵紅林、15歳。中3。受験生。」
「ふーん」
と学は呟いた。なんだよその反応と私は思った。
「もしかして、受験からの現実逃避でもしようとしていたの?」
「うん。っていうかバカにしてる?」
すると学は笑顔で
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