第1章

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「まあ多少、なんて嘘嘘バカになんかしてないよ?俺だって。昔、一度や二度。現実逃避しようとしたことあるよ。本当は俺だって人に言える義理なんてないんだけどね」 そして腕を出した。腕にはいくらかのリストカットの後が。私だけじゃなかったんだ。 「私も」 と言いながら私も見せた。 「なんだ?君もかあ。なんか似た者同士だね。俺達」 笑っている、そして思わず私も笑ってしまった。 「やっと!笑ったね!なんだ、ちゃんと笑えるんだね」 それが何と私は思った。 「なら大丈夫だってことだよ?今はとにかく。前向きになれよ?」 「ありがとう」 すると学は時計を見た。
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