第1章

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そして数日経ったある日にて。私は塾で同じ塾生の女の子に話しかけられた。 「ねぇ?陵さん、今週の日曜日。遊園地に行かない?他の友達も一緒なんだけど。いいよね?」 私はこの子のことはあまり好きではなかったけれど。新一から言われた [前向きになれよ?] という言葉を思い出して思わずOKしてみることにした。そして家に帰って思わず母親にそのことを話してみた。 「遊園地?」 母親は勉強や私に関してはすごく厳しい人だった。はっきり言って苦手区域に入っていた。実の母親なのに 「一回くらいいいでしょ?受験の息抜きってやつで」 「別にいいけど。一回くらいは…なんていうと思った?ダメに決まってるでしょ?この大事な時期に遊園地なんて。そんなのは翔渡高校に受かってからにしなさい。」 やっぱりそう言われるだろうなあと私は思った。娘のことよりなんか世間体のことしか考えていない
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