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「…私も社長も仕事で忙しいから…邪魔したくないから…それを知っている春香ちゃんは一人で公園で練習しているんですよ…ずっとね」
「そんな…」
「だから貴方が来たとき、私は春香ちゃんが嬉しかったと思います」
「天海さんが…俺なんかを…」
「…春香ちゃんは優しくて良い子ですよ、プロデューサーさん。だから自信を持って彼女をプロデュースしてあげて下さい。…確かにあの無責任な社長からの勧誘なので、理解できないかもしれませんけど…」
音無さんはそう言い、ペロッと舌を出した。
「…解りました、音無さん。俺、頑張ります」
少し勇気が出た気がした。
「その意気ですよ、プロデューサーさん!」
俺はそう言ってくれた音無さんに別れを告げ、近くの公園へと向かう。
そこまではすぐだった。
公園に入ると噴水に向かって歌っている天海さんが見えた。
「追いかけて~♪逃げるフリをして~♪」
…お世辞にも上手いとは言えないが一生懸命さが伝わってくる。
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