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「もう、しっかりしてくださいよ?…で、そろそろオフィスに戻りませんか?」
春香があはは…と乾いた笑いを見せながら時計を指差した。
俺も釣られて時計を見る。
「げっ!?もう6時!?」
「あはは…プロデューサーさんとお話するの楽しいからすぐに時間経っちゃいましたね?」
…ドキってしたぞ。
「こ、こらこら…からかうんじゃない。さ、オフィスに戻ろう」
「はい♪」
春香は満足げに微笑み、俺達は部屋を後にした。
「おぉ、君達。すっかり打ち解けたようだね?手まで繋ぎあって…」
「「え?」」
社長の一声で俺は右手を、春香は左手を見る。
「「わっ!」」
いつの間にか手を繋いでいた様だった。
無意識に…
「す、すみません社長!ご、ごめん春香!」
「あ、いや…私は大丈夫ですよ…」
春香が引き気味で半笑いする。
…お、終わった。
社長は何やらうんうんと頷いていたし。
音無さんもウフフと微笑んでいた。
…何かヤバい気がする。
「まあとにかく座りたまえ」
「は、はぁ…」
俺はソファーに座りこむ。
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