898人が本棚に入れています
本棚に追加
…名前ぐらい聞いとけば良かったかな…っと。俺にも仕事が有るんだ。
今後ともよろしくお願い致しますと言う挨拶が書かれた渡された紙を見ながら俺は苦笑した。
「ふぅ…」
一段落した後に、俺がロビーに戻ると、先程の少女と出会った。
「あ、もう今日は帰るの?」
「はい。朝早くからずっと居たので、もう少ししたら帰ろうかと思います」
…今昼の2時前だけど。何時間歌ってたんだこの子は。
「あ、一人なの?マネージャーさんとかプロデューサーさんとかは?」
「えっ…それはどういう…?」
少女は首をかしげた。
「もしかして私の事アイドル候補生なんかだと勘違いしてます?」
…な!?
「え!?アイドル候補生じゃないの?」
少女は俯き、小さく首を縦に振った。
「私はただの高校生ですから」
…なんと…?てっきりどこかのプロダクションかと思ったぞ。
「では失礼します」
一礼し、歩む出す彼女に対して自動ドアが開く。
「あ、ちょっと待ってよ!名前だけ教えてくれないかな?」
俺がそう言うと少女はゆっくりと振り向いた。
「千早。如月千早と言います」
最初のコメントを投稿しよう!