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「…うむ…で、その如月君と言う女の子は…確かにアイドルでは無いと?」
「はい」
社長は腕を組みながら指を跳ねさせる。
あの後春香の歌のレッスンを終え、作曲家の所に挨拶に行き、俺達は事務所に帰ってきた。
春香はもう帰宅し、俺は社長と如月千早と名乗った彼女の事を伝えていた。
「如月千早君か。聞けば小さい頃から歌を好いていたらしいじゃないか。素直で良い子に聞こえるがな…」
「ええ。でも「人はすぐに裏切る」とか言ってたんですよ…俺、それも気になって…」
「ふむ。小さい頃に何かあったのではないかな?とにかく彼女について私も色々と調べてみる。今日はご苦労だったね、帰ってくれて結構だよ」
「あ、はい。失礼します」
俺はそう言って事務所の扉を閉めた。
如月千早。
アイドルかと思いきや普通の高校生。そして歌に情熱を注いでいるのが良く解る。
…今度会ったらスカウトしてみよう。
アイドルやってみない?って。
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