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最初からそうだったのだが………俺今姉ちゃんに上から抱き着かれてたんだよね……
「秋ちゃん…………ん~~」
くそう……なんて力だ、ぬけられん。
必死に逃げようとするが動けない。どこに、こんな力があるんだろうか………
なんて言っている場合でもなかった………
しかし、どんどん近づいてくる姉ちゃんの唇。
「あ………」
俺が天井に目線を向けてそう呟くと。姉ちゃんは「どーしたの?」
っと姉ちゃんも天井を見た。
フフフ、チャーンス。
姉ちゃんの力が抜けている内に腕のロックから抜け出した。
そのまま、高校の制服と鞄をもって自分の部屋から一階のリビングまで降りて着替えて家を出た。
家の方を見ると凄まじい殺気が家全体を包み込んでいた。
「ヤベェな、これじゃあ家に帰れん今夜はどこで夜を明かそうか」
などといいながら家を放置して通学路へ向かった。
しばらく歩いていると、幼なじみの香住が待ち合わせ場所で待っていた。
「今日は、はやいんだね~」
人をなんだとおもってやがるっ。
「まぁ、色々あってな………」
こんな時は、ごまかすのが一番だ。香住に知られると少々厄介なことになりそうだからな。
怪しそうに、俺の顔を覗き込んでいたが、諦めたのか。
「そっか………じゃあいこっか」
通学路を歩きだそうとする。
「おいおい、仁がまだだろ?」
「ッチ!」
香住が、舌打ちしたのは気のせいだろうか?
などと、思っているといきなり香住がこんな事を言いはじめた。
「秋くんは、香住と二人で学校に行くの………嫌?」
この子も、上目遣いで俺を見てきた。
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