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ある雨の日―――
濡れた車道を危なげに走り、
山道をゆく自動車。
車内には4つの人影。
後部座席には、久しい旅の思い出話をする兄妹。
助手席には我が子を微笑ましく見つめる母。
そして、運転席には
団欒を名残惜しみながらも、黙々と帰路を走らせる父。
勿論のこと、その空間には
「安らぎ」があった。
だが、それ以上に…
その車という空間に対する外側の世界には、紛れもなく…
. ・・
「悪意」があった。
. ・・・・
そして、無慈悲にも選ばれた車の一家はその迫る脅威に気付くことなく…
次の瞬間には、
・・・
崖下へとその身を放り出され、
甲高い破砕音とともに命の華を散らした…
ただ1人、「明星 譲」たる
少年を残して…
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