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私立白百合ヶ丘高等学校 この学校の空手部主将は正義の人である 弱きを助け 強きを挫く 北に困った人あれば部活中でも走って行き 南に怪我した人がいれば否応なしに病院まで背負って運ぶ 西に犯罪者あれば自分の持てる全部能力を駆使して撃破 東に絡まれた人あれば命をかけて助けだす そんな人間である そして 春 桜並木で彼は運命の出会いを今日してしまった そこには不良数名に絡まれいる少女がいた 否 不良数名に絡まれ美少女がいた 背の丈は160前後 腰まで伸びた髪 茶色いそれが風に揺れる 小鼻で幼げな顔 童顔と言うヤツか 思わず守ってあげたくなるようなハムスターのようなオーラを纏った美少女が絡まれていた もちろん主将は助けずにはいられずに飛び出して行った 不良達は大した事なく「喝!」っと主将が怒鳴ると尻尾をまいて逃げて行った 問題はそこからだった 「お嬢さん、大丈夫ですか」 自分と同じ学校の制服を纏うその少女に主将が問いかけた 少女は無言で微笑んだ 主将の全身に強烈な電撃が走った いや もしかしたら雷が落ちたかもしれない それだけの衝撃を主将は受けた 後に彼は人生最大のダメージだったと語る
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