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「すいません」
思案にふけっている時だった。
一人の青年から声をかけられた。
「あぁ、すいません。なんでしょうか」
「ハンター登録をしたいんですが」
ハンター登録という事に条件はない。
せいぜいやる気があるかどうかという程度だ。
だが、登録する人間は皆、それなりの雰囲気を持っている。
だが彼にはそれがなかった。
言うなればナヨナヨした感じの人間だ。
到底立派なハンターにはなれないだろう。
下手をすれば死ぬ。
受付嬢を始めて幾年もしない私の目からでもそう見えた。
熟練のハンターなら何を青二才がと言うだろう。
だが、登録を拒否出来るというものでもない。
私はいつも通りに登録を済ませ、彼の立ち去る姿を眺めるのだった。
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