ヒミツの恋

12/16
前へ
/18ページ
次へ
あれから…… 私が奥村くんと向き合うと決めた日から1ヶ月の月日がたった。 ハルはあの日から家に帰って来なくなった。 私が居ない時に着替えなどを取りに来ているみたいだけど、一度も会うことはなかった。 学校にはちゃんと来ているみたいで、たまに廊下ですれ違ったりしたけど。 お互い声を掛けることはなかった。 姉弟なのにおかしいよね? 絵里には何も話していないのに、何故か晴季のことについては一切ふれてこなかった。 もしかしたら絵里は全て知っているのかもしれない。 でも私はわざわざそれを確かめることはしなかった。 何も聞いてこないのなら都合がいい。 何か聞かれてちゃんと答える自信などないのだから。 その一方で私は奥村くんと放課後一緒に帰ったり 休みの日に出かけたりとゆっくりと距離を縮めていた。 それでも私はやっぱりハルを忘れられずにいた。 そんな私に奥村くんはゆっくりでいいからと やっぱり優しかった。 でも奥村くんに優しくされればされるほど 私の中の罪悪感は大きくなる一方だった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加