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あれから……
私が奥村くんと向き合うと決めた日から1ヶ月の月日がたった。
ハルはあの日から家に帰って来なくなった。
私が居ない時に着替えなどを取りに来ているみたいだけど、一度も会うことはなかった。
学校にはちゃんと来ているみたいで、たまに廊下ですれ違ったりしたけど。
お互い声を掛けることはなかった。
姉弟なのにおかしいよね?
絵里には何も話していないのに、何故か晴季のことについては一切ふれてこなかった。
もしかしたら絵里は全て知っているのかもしれない。
でも私はわざわざそれを確かめることはしなかった。
何も聞いてこないのなら都合がいい。
何か聞かれてちゃんと答える自信などないのだから。
その一方で私は奥村くんと放課後一緒に帰ったり
休みの日に出かけたりとゆっくりと距離を縮めていた。
それでも私はやっぱりハルを忘れられずにいた。
そんな私に奥村くんはゆっくりでいいからと
やっぱり優しかった。
でも奥村くんに優しくされればされるほど
私の中の罪悪感は大きくなる一方だった。
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