ヒミツの恋

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「ねぇハル?! 私のこと好きって言ったけどあの彼女はどうしたの?」 そうよハルには彼女がいるんだ。 「えっ!?彼女? 俺彼女なんていないよ?」 何よ? 今更シラバくれるつもり? 別にうそつかなくてもいいのに。 「1ヶ月くらい前にカラオケ店の前で私見たよ? 女の子がハルに抱きついて、甘えた声でハルーって呼んでるの。 ハルがそんな風に呼ばせるなんて特別なコの証拠でしょ? それに家に帰ってこない間もあのこと一緒にいたんでしょ?」 「待ってよ。 それは誤解だよ。 俺がいくらハルって呼ぶのやめろって言っても聞かないだけだし。 俺アイツのことなんて名前も知らないし。」 「えっ?そうなの」 じゃあどうして? 「家に帰らないのだってあの日、ミウ姉がアイツと抱き合ってるの見たからだし。 あんな場面見てミウ姉に普通に接する自信がなかったんだ。 だからばぁちゃん家に泊めてもらってたんだ。 父さんにも言ったはずなんだけどな」 「えぇーっ!?」 お父さんなにも言ってなかったよ? どういうこと? 「それよりミウ姉の話だよ。 アイツと付き合ってるんだろ?」 アイツって奥村くんのことだよね? 「付き合ってはない」 「えっ?どういうこと?」 「ハルのこと忘れたから。 奥村くん自分のこと利用していいって。 付き合うのは完全にハルのこと忘れてからでいいからって。 だから…だから……」 奥村くんの気持ちを考えたら涙が止まらない。 私なんてことしたんだろ。 人の気持ちを利用するなんて最低だ。 「ごめん分かった。 分かったから……泣かないで?」 分かってる。 私が泣くなんて狡いってこと。 でも今だけは…… 今だけは彼の胸て泣くことを許してください。
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