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「ミウ姉!
今日ジャガイモ安いよ。
俺カレーが食べたいな?」
「えっ?うん。
そうだねカレーにしよっか?」
いけない。
またトリップしてたよ。
シッカリしなきゃって思ったばかりなのに。
「ミウ姉なんか変だよ?
熱でもあるの?」
ハルはそう言うと、私の額にハルの額をくっつけてきた。
「ハッハル!?」
「あれ?熱はないみたいだね。
でもなんだか顔が赤い気がする……
よし!早く買い物して帰ろうね?
今日は俺がカレー作るよ」
顔が赤いのはハルの顔が近いからなんだけどね?
なんてことは言えない。
「大丈夫だから!
具合なんて悪くないよ。
それにハル料理出来ないでしょ?」
お母さんが亡くなってから家事全般は私がしている。
掃除や洗濯はハルにも手伝ってもらっているけど、料理は私が作っている。
全部が全部普通の家みたいにいかないのは分かってるけど、せめておいしいご飯を作って帰りを待っていてあげたい。
という気持ちがあったから。
「本当に大丈夫?」
「へーき。
奥村くんにテストの点数バカにされて、落ち込んでただけだから」
私は今とっさに思いついたことをしゃべった。
実際クラスメイトの奥村 章悟(おくむら しょうご)くんにバカにされたことは事実だったから。
彼は私の親友の田辺 絵里(たなべ えり)の幼なじみで何かと構ってくる。
「奥村くん…ねぇ……」
ハルが小さく呟いたことは私は知らない。
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