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「ねぇ美雨、晴季くん達次体育外みたいだよ?」
「えっ?あっ、うん。そうだね」
次の日の昼休みの時間、絵里がグラウンドを見ながら話しかけてきた。
「はぁー本当かっこいいよね晴季くん。今の彼氏と付き合ってなかったら絶対狙ってたのにぃー」
こんなことを言ってるけど絵里は彼氏の智(さとし)くんとすっごいラブラブだったりする。
「ばーか。篠原の弟がお前なんか相手にするわけないだろ?」
「奥村くん」
絵里が一人妄想していたところに奥村くんがやって来た。
「なによ!!そんなの分かんないでしょ!!」
「分かるよ。あいつあんな綺麗な顔して、何考えてるかちっともわからねぇし。お前にはムリムリ」
「ムゥー。別に私には智がいるからいいもん!!でも……確かに晴季くんってミステリアスよね」
「ハルがミステリアス!?」
絵里の言葉に思わず過剰に反応してしまった。
だってハルがミステリアスなんて……
「うん。なんか憂いをおびた美少年って感じ」
確かにハルは綺麗な顔をしていると思う。
全体的に色素が薄くて体型も華奢な方だ。
でもそれは見た目だけの話で、私の知っているハルからは想像も出来ない言葉だった。
「みんな言ってるよ。誰にでも優しいけど、本当は誰のことにも興味がない感じだって。そのことについて聞いても、曖昧に微笑むだけだって」
えっ?
ハルってそんな感じなの?
私の知ってるハルは
優しくて
でも時々イジワルで
いつも自分のことより人のことを心配しちゃうような
本当に優しい子なのに……
ハルがそんな風に言われてるなんて、信じられないよ。
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