ヒミツの恋

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その日の放課後 ハルは友達と遊んで帰るとのことで、私は一人で買い物をしていた。 ハルが放課後友達と遊ぶなんて珍しいな。 なんだかんだ言っても、いつもハルは私の買い物に付き合ってくれていたから。 寂しいかも…… って私ったら何考えてるんだろ? ハルが高校生らしくみんなと遊んだりすることはとってもいいことなんだから。 お姉ちゃんとしては喜ばなくちゃ。 なんてそんなことを考えながら歩いている時だった。 あっ!ハル。 ちょうどカラオケ店に入ろうとしているハルの姿が見えた。 私が声を掛けようとしたその時だった。 「ハル待ってよぉー!!」 可愛い女の子がハルに近寄りハルに後ろから抱きついたんだ。 ハルは嫌がる素振りを見せていたが、私が気にしていたのはそこじゃない。 ハル…… あのこハルって呼んでた。 ハルは私以外にハルって呼ばれることを何故か嫌がっていた。 ハルって呼んでいいのはミウ姉だけだって言ってたのに。 あのこは? あのこはハルの特別なの? 付き合ってるの? ハルももう高校生だもんね。 彼女がいたっておかしくない。 おかしくないはずなのに。 どうして涙が出るんだろう。 ハルはあのこにも私に見せるような顔で微笑むの? バカだねって言って優しく頭を撫でるの? 泣いたらギューッて抱きしめるの? もう私の隣にいてくれないの? 寂しいよ。 涙がとまらないよ。 私はお姉ちゃんなのに お姉ちゃんなのに…… ハル…… 私を置いてかないでよ。 「篠原……?」
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