広有射怪鳥事
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松明を高くかゝげさして之を御覚になると、頭は人のやうで身体は蛇の形である。嘴の先が曲つて、歯が鋸のやうに生へてゐた。両方の足には長い距(けづめ)があつて、剣のやうに鋭くなつてゐる。羽先を延べて見ると、長さは一丈六尺あつた。天皇はひどく御感心遊ばされて、其夜すぐさま広有を五位に任ぜられ、翌日因幡国の大荘二箇所を賜つた。これは武士の名誉であり、又後々までの語り草でもあつた。
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