同じ景色

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この不良達…だいぶ恨みを買っているな。 回りの気が淀んでいる。 「ビビってんのか?何か、言えよ!」 不良の一人が、樹の珠飾りに触れる。 「…っ!よせ!!」 淀みに気を取られていた樹が、不良の手を払い除けた。 「てめえっ!!」 不良が樹に掴み掛かろうとした。 樹は刀が入った紫色の袋で、その手を払い除け、不良の脇腹の辺りを打つ。 「ぐえっ」 不良が呻いた。 「こいつ…!?」 殴り掛かってきた残りの不良達も、難なく叩き伏せた。 悪霊に出逢う事も屡々あるため、樹は多少の喧嘩には負けた事が無かった。 寧ろ、不良なんて相手にはならない。 「珠に触るな」 樹は言った。 不良達は慌てて、その場を離れていく。
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