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校舎を出た所で、先程の不良達がいた。
「てめえ…死ぬ覚悟出来てるか!?」
不良が怒鳴る。
…が、樹は不思議そうに首を傾げた。
何で、死ぬ覚悟が要るんだろう…と。
そして、直ぐに思い至る。
どうやら、負かされた事を根に持っているらしい。
絡んで来たのは向こうだと言うのに…逆恨みも大概にしてほしい。
不良が殴り掛かってきた。
樹は軽く避ける。
勢いで前のめりになる不良。
「くそっ」
力任せに腕を振り回すが、樹には掠りもしない。
しかも、樹は攻撃を避けながら、確実に校門に向かっていた。
「おおっ!転校生凄い!」
樹を追い掛けてきた武が、歓声を上げる。
野次馬が増え、教師が駆け付けた頃には、不良達は疲れて座り込んでいた。
息切れして、大量の汗をかいている不良達を後目に、樹は何事も無かったような涼しい顔をしている。
そして、校門を出た。
「…何やってんだ?お前達」
教師が不良に問う。
「何でもねぇよ!!」
不良は惨めにも、そう叫ぶ事しか出来なかった。
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