想いし魂

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犯人の男達を捕まえ、満足そうにしている築地の横で、樹は包みを抱えて座り込んでいた。 「自分は梨花さんの祖母に、孫の救出を頼まれただけなんだかな…」 樹はため息をついた。 「そう言うな。警察への協力は、一般市民の義務だぞ」 築地が苦笑する。 それを言ったら、事件解決は警察の仕事なんじゃないだろうか。 「もう帰って良いだろうか」 樹は詰まらなさそうに言う。 「事情聴取が終わったらな」 事情聴取…特に話すような事情は無いんだが。 「…昼食は出してくれるのか?」 もう十二時を回っている。 「自費だぞ?」 「………地獄に堕ちるか?」 樹は築地を睨んだ。 やはり、人付き合いは面倒だ。 即刻、無視して帰ろうか…。 「分かった!俺が奢ってやるから!な?帰ろうとか考えんなよ?」 築地は慌てて訂正した。
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