45人が本棚に入れています
本棚に追加
犯人の男達を捕まえ、満足そうにしている築地の横で、樹は包みを抱えて座り込んでいた。
「自分は梨花さんの祖母に、孫の救出を頼まれただけなんだかな…」
樹はため息をついた。
「そう言うな。警察への協力は、一般市民の義務だぞ」
築地が苦笑する。
それを言ったら、事件解決は警察の仕事なんじゃないだろうか。
「もう帰って良いだろうか」
樹は詰まらなさそうに言う。
「事情聴取が終わったらな」
事情聴取…特に話すような事情は無いんだが。
「…昼食は出してくれるのか?」
もう十二時を回っている。
「自費だぞ?」
「………地獄に堕ちるか?」
樹は築地を睨んだ。
やはり、人付き合いは面倒だ。
即刻、無視して帰ろうか…。
「分かった!俺が奢ってやるから!な?帰ろうとか考えんなよ?」
築地は慌てて訂正した。
最初のコメントを投稿しよう!