45人が本棚に入れています
本棚に追加
築地と樹のやり取りを見ていた新米刑事の富田厚志が、先輩の女刑事の飛高弥生に問う。
「あの子は一体、何者なんですか?」
「彼?小野樹くんよ。会うのはこれで何度目かしら…。築地さんのお気に入りなの」
飛高は言った。
「守川中学の三年生よ。ちょっと人間関係ぶきっちょだけど…其処が可愛いと私は思うの」
「はぁ。中学生が何だってこんな事に?全く分からないんですが」
「彼、霊能力者なのよ。幽霊に頼まれて色々やってるらしいわ。それがたまに、警察も関わるような事件だったりするんですって」
「はあ??霊能力?幽霊に頼まれて?」
富田が首を傾げた。
「ええ。信じ難い話だけど本当よ。実際に目の辺りにしちゃった事もあるし…」
飛高が苦笑する。
「はあ…?」
富田はやはり分からない。
ただ、築地が樹を気に入っているのは、目に見えて明白であった。
最初のコメントを投稿しよう!