『見たくない』

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私は、普通の子供でした。 ママゴトもすれば悪戯もする、遊ぶことが好きな子供でした。 小学校に入ってからだと思います。 両親共に夜8時9時位まで、私を家に一人残しパチンコに頻繁に行っていました。 私は古いが故、鍵がかけられない家で、いつ帰って来るかも解らない親を、テレビだけが友達で待っていました。 いつも待ちきれずパチンコ屋さんに電話をかけていた覚えがあります。 共に、夫婦喧嘩が激しく、母が家を飛び出たり、母と2人で家を出たりとしていました。 父は物に八つ当たりしたり、母に手を挙げたりとしていたのですが、今だにこびりついているのが、母が父に首を絞められながらタンスに押し付けられていた光景です。 母は苦しそうな声ともならない声を上げていました。 『止めなければ!』とは思っても、父の豹変ぶりに怖じ気づいて何にも出来ず、事が治まるのをただ待っていたと思います。
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