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悠馬「…先生…。」
ドアを開いて現れた人物、それは俺の大学時代からの恩師であり今は俺の勤める国立薬品研究所の所長を勤めている高野秋次(たかの あきつぐ)先生だった…。
先生とは家族ぐるみの付き合いもしていた間柄なだけに遠い親戚達よりも遥かに親い関係だ。
高野「…随分と酷い顔をしているな…。」
その先生はそう言うと俺の隣に座り軽く溜め息を吐いた。
悠馬「…………………………………。」
高野「…いつまでそんな風に部屋に閉じ籠もっているつもりだ?希美君の事は本当に残念とした言い様が無い。…だが、それは誰のせいでも無い…今回の件は不運な事故だったのだ。」
悠馬「分かっています…分かってはいるんです…。」
高野「いいや、分かっとらんな。でなければこんな所で楓ちゃんを一人にしてはおらんだろう?」
悠馬「………!!?先生!楓は!?」
先生に言われたその時、俺は初めて気が付いた。
楓を…まだ小学4年生の幼い娘を俺は放置したまま自分一人で殼に閉じ籠もっていた事に…。
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